爪先の宇宙

傘をさしていた 雨は上がっていた

「私はここには居ないよ。」

何だかそんな気分

 

夕暮れの空が

あまりにも うつくしすぎて

失くしたもの 忘れたもの

詰まっているみたいで

 

視線の先

不器用そうに はみ出したペディキュア

あの本の あの子と同じ

色は違うけれど

 

四角い小窓にペディキュアが光る

そこから広がる世界を見たくて

また顔を上げてうたっている

水たまりのような 爪先の宇宙

 

四角い小窓にペディキュアが光る

そこから広がる世界を見たくて

また地面を押して歩いている

 

水たまりのような 爪先の宇宙